てとらぽっと。
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トロイメライ・キスC
宿に戻って、私たちは途方に暮れた。
サラサラの赤毛の下の、意外と長い睫毛は、ぴくりともしない。
「トラップが好きだった人って、誰だ・・・・」
クレイが頭を抱える。
「意外と、パステルとかだったりして、ぎゃはははは!」
こんな状況で冗談を言うキットンに、誰も構いはしない。
「トラップって結構女の子に人気、あったじゃない?その中に好きだった子、いたりしないかなあ?」
そういえばしょっちゅうピンク色の手紙、届いてたっけ。
「そうだ!それですよパステル!」
「な、なによ急に」
「募るんですよ、我こそはトラップの最愛の人!って」
「それは名案かもしれないな」
しばらくして、噂は町中に知れ渡り、我こそは我こそはと女の子が押しかけて来ては
トラップにキスをしていった。キスはもちろん口に。シャワーのごとく。
これじゃ、逆白雪姫?シンデレラ?だ。
早く、ヘラヘラして起き上がって来てよ。「俺、こんなに女にちゅーされんの初めて!うひひ!」
って言いながら。
なんでだろう。心が変にもやもやする。
「だめですねえ・・・・あ!!!!!」
またもキットンが大声を上げた。
「忘れてましたよ!」
「何なに、誰!?」
「キム・ジンガーとマリーナです!」
確かに。
その線は高い。
急ぎ、二人を呼び出すことにした。
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