風邪@

「いいなトラップ、1、手ぬぐいはまめに取り替えてやること、2、氷のうはちゃんとおでこにあてておくこと、3、変な気は起こさないこと‥」
「わーった、それに何だその、変な気って。起こすわきゃねーだろ」
パステルのやつが、風邪引いてぶっ倒れた。最初はみんなして看病してたんだが、
今日はバイトやらなんやらで俺しか世話できる人間がいない。
クレイは心底心配そうに俺に言い聞かせた。
ちぇ、信用ないぜ。
バイトに向かって行くクレイ一行を見送ったら、噂の主の部屋へと向かう。
赤みが差した頬。
氷のうがずれ落ちてたんで、言われたとーりちゃんと額のまんなかに。
どーだ、完ぺきだろ?

熱はだいぶあるようで、苦しそうに肩で息をしている。
「‥ップ‥」
「あん?何だ?」
「トラップ‥」
「だから何だって」
「それは‥食べちゃダメ」
ずるっと、ずっこける。
んだよ、うわごとかよ。
てか、意識もないくらいって、かなりヤバイんじゃねーの?
氷のうを取り替えようと、手を伸ばした瞬間、その手を熱っぽい奴の手がとらえた。


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