いつか叶う夢?

FQお題でGO!に捧げた一文です。↓


ふわあっと、美味そうな香りが鼻先をかすめる。
今日の晩飯はなんだろな。
それにしてもいい匂いだぜ。
ベッドからひらりと身を起こして、俺は階下へと向かった。

見慣れた、蜂蜜色の髪の毛。
不器用にも一生懸命、手先を動かしている。
生憎、俺はこいつの料理、嫌いじゃない。
「だーれだ」
なんつって言いながら、急に目隠しをしたもんだから、奴のパニクることパニクること。
可愛いでやんの。
俺はニマニマしながら、奴の顔を覗いた。
「ちょこっと味見させてみそ」
「だーめ!」
「んでだよ!ちょっとくらいいいだろーが!」
「だって、まだ途中だもん。てかトラップ、珍しく自分で起きれたんだね!」
「パステルちゅわーんの甘い匂いに誘われてな・・・んなわけあるか!俺だっていつまでも寝てるわけじゃねーわい」
「あはは、そうだよね。・・・じゃあ、ほんとにちょっとだよ?」
スープを味見する。至近距離に、奴の顔。ドキンと心臓が高鳴るのがわかる。
「美味しい?」
「ん、まーまーだな」
「だから、まだ途中だって言ったじゃんー!」
いつも口から出るのは心とは裏腹。
めちゃくちゃ美味かった。
いつになったら素直になれるんだろ。俺。
いんやいんや、いまのままでいいんだ!
二つの心がぶつかり合ってる。
神様。俺、もう少しこの夢、見ていたいかもしんねー。

目覚めるの、まだ先でいいや。

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